広島高等裁判所 昭和27年(う)414号 判決
道路運送法第三条第三項所定の特定貨物自動車運送事業の免許をうけたものがたまたま所定の貨物以外の貨物を運送したときは右の所為は免許の条件に違反したものとして同法第四十三条により右運送事業の停止又はその免許の取消等の事由となるにすぎないのであつて右の免許条件違反の運送が営業としてなされるに及んで初めて免許をうけないで同法第三条第二項の一般自動車運送事業を経営したものに該当し同法第一二八条所定の犯罪を構成するものといわねばならない。本件においては被告人末元類三が被告人広島県農産農業協同組合連合会の西大田農業協同組合駐車場における事務総括者として特定貨物自動車運送事業免許の条件に違反して判示の如く貨物運送をしたことは本件記録上極めて明瞭であるが右の運送行為が被告人広島県農産農業協同組合連合会の営業としてなされたものであるとの点については記録にあらはれた証拠のみによつてはこれを確認することが出来ない。そうすると被告人末元の所為は単に免許の条件違反の所為として被告人広島県農産農業協同組合連合会の特定貨物自動車運送事業の停止又は免許取消の事由となるにすぎないものといはねばならない。従つて被告人末元の所為を免許をうけないで一般自動車運送事業を経営したものとなし同被告人及被告人広島県農産農業協同組合連合会に対し同法第百二十八条の責任を問ふた原判決は事実誤認の違法をおかしたものであり右の違法は判決に影響をあたえること明らかであるから論旨は理由あるものというべく原判決はこの点において破棄を免れない。